一般社団法人箕面青年会議所

 2014年度理事長 佐藤 研

はじめに

 今、日本に住んでいるどれだけ多くの人が自分の人生を幸せであると実感できているのでしょうか。昨今の日本においては、長期にわたる景気の低迷による労働者の平均賃金の低下、離職率の増加、地方都市の衰退などの深刻な経済問題だけでなく、大規模な地震や台風といった自然災害なども続発し、さらには、いじめ・不登校・体罰などの社会問題なども尽きません。失われた20年と揶揄されるようにかつて日本が誇っていた技術力や経済力は輝きを失い、日本を代表する大企業においてさえも粉飾や偽装をはじめとする不祥事が相次ぎ、政治や経済、社会のシステムのみならず、日本はその精神性においても閉塞感に包まれてしまっています。そのような社会情勢において、私には我々日本人がかつてはみんなが持っていた日本人たる誇りや美徳を忘れてしまい、他人を思いやる心さえも見失いつつあるように思えてなりません。

 

私にはこのような社会情勢そのものを一人で大きく変える力はありません。しかしながら、この社会に覆われた閉塞感を打破する一助として、周囲の人間を巻き込んでの第一歩を踏み出すことは可能であると確信しています。私たち青年が今やらなければならないこと、そして私たち青年であるからこそできることは、地域からPositiveChangeを発信していくことではないでしょうか。直接的に社会全体を変えることをめざすのではなく、まずは市民意識の変革を促し、市民一人ひとりを元気に、そして前向きに、積極的な意識が持てるように変革し、その結果として社会全体の閉塞感を打破していくことが必要なのではないでしょうか。

 

 私は2014年度の社団法人箕面青年会議所(箕面JC)の理事長として、「明るい豊かなまちづくり」を目標に掲げる団体として、多くの市民と積極的にかかわり、市民意識の変革を促し、かかわる全ての人々に成長をもたらすことができるような活動を実践してまいります。

 

 

すばらしいまち箕面の再発見

 

私たちが活動の拠点とする箕面市は、東洋経済新聞社の「住みよさランキング」にて二年連続大阪府内の市町村で第1位に輝き、全国でも堂々の第26位にランキングされています。これはしっかりとしたインフラが整備され、住宅地としての都市機能の充実だけではなく、豊かな自然にいつでも触れ合うことのできる環境の素晴らしさ、そこから育まれる多様な文化なども大きな要因となっていると思います。私はこのような箕面市を誇りに感じています。他方で箕面市にはまだ多くの方に伝わっていないたくさんの魅力が隠れているように感じます。

 

「ソーシャルストック」という概念があります。それは歴史や文化、伝統、習慣や景観など、地域で育まれた地域特有の有形・無形の財産を総称した概念のことを表します。私たちは多くの団体や市民を巻き込み、箕面のソーシャルストックを改めて見つめ直し、掘りおこし、それを発信していくことにより箕面市内外にさらなる箕面の魅力を伝えていく活動を行います。

 

この活動によって箕面市民がさらに地元に誇りを持ち、次世代の子どもたちが故郷である箕面を大切に思い、そして誇りに思うことができるように変革できると考えます。地域特有の資産であるソーシャルストックを発見し「地域の宝」に誇りを持ち発信していきます。

 

  

箕面市民のつながり

 

私は箕面のまちが好きです。それは多くの箕面市民とかかわりを持ち、まちづくり運動に携わってきたことが最大の理由だと思います。

 

私は長年、箕面JCメンバーとして活動を行い、そして箕面まつりの運営にも積極的に参加してまいりました。箕面まつりの運営では様々な団体や多くの市民ボランティアが参加していますので、様々な市民の方とのかかわりを持つことができました。また、箕面JCでは毎年まちづくり事業を実施しており、様々な参加型事業を通じて多くの箕面市民とかかわりを持つ機会を持つことができました。

 

このように多くの市民の方と出会う機会があればあるほど、私はそこで多くの事を学び、多くの感動を分かち合うことができました。この経験は私にとってかけがえのない財産であり、箕面のまちへの愛着そのものと言っても過言ではありません。

 

本年度、箕面JCは多くの箕面市民やまちづくり団体、行政にもご協力をいただき、たくさんの人と連携して幅の広い活動を行いたいと考えます。箕面JCだけの力ではなく、多くの市民や団体とともに力を合わせて活動を行うことにより、本来我々が持っている力以上の活力と多くの感動を分かち合いたいと思います。多くの市民が自発的に活動することにより、箕面のまち全体の活力が向上し、箕面のまちへの愛着がより一層育まれ、かかわった全ての人々が成長し人生が幸せになるような事業を展開してまいります。

 

 

地域リーダー育成のために

 

私たちが活動の際に唱和する宣言文の中にこのような一文があります。

 

「日本の青年会議所は混沌という未知の可能性を切り拓き個人の自立性と社会の公共性が生き生きと協和する確かな時代を築くために率先して行動することを宣言する」

 

 私は地域リーダーとして何より重要なことは「率先して行動すること」だと思います。

 

誰かが行動を起こすことによって生まれた小さな波は、水面を走る波紋のように全体に波及していきます。大切なことは誰かが最初に小さな波を起こすことなのです。行動を起こさなければ小さな波すら生まれません。

 

自分のためだけでなく、箕面のまちやそこに住む他の人々のためにより豊かな社会の実現のための最初の一歩が踏み出せる行動こそが、社会から求められる真のJAYCEEとしての意義であると考えます。まずは地域に対して積極的にかかわり、多くの市民とコミュニケーションをとり、地域にとって何が求められているのかをキャッチし、率先して変革の行動を起こします。また、姉妹締結しているペニンシュラJCと国際交流の機会を設けることで、地域リーダーとして必要な多種多様な価値観を育む機会を創出します。

 

そして本年度、私たちメンバー全員が率先して行動することにより、地域リーダーの手本となることで、地域リーダー育成の波紋を広げたいと考えます。

 

  

共に活動できる友を求めて

 

私たちの活動においては「人」こそが力の源です。2013年度は15名の新入会員を迎えることに成功し、箕面JCの活動は次世代に向け大きく前進しました。これまでより多くのメンバーが集うことができたことで、今まで以上に多くのアイデアが集まり、力を結集することができ、組織の活性化を私は心から実感いたしました。

 

数多くのメンバーで活動すること、たくさんの新しいメンバーが継続して加わることは、これからの箕面JC運動における力の源であるとともに、明るい豊かな社会の実現へ前進し、より素晴らしいまちづくりをおこなっていくための力の源でもあると考えます。地域を牽引できるより多くの地域リーダーを輩出するためにも、本年度もより多くの新入会員メンバーを求めて活動してまいります。

 

 

継続した支援活動

 

 2011年3月に発災した東日本大震災、全国のJAYCEEから多くの支援がおこなわれました。箕面JCは2011年6月に東北楽天イーグルスと共同で「箕面から被災地の子どもたちに元気を送ろう!」と題し、被災地の子どもたちの心のケアを目的にチャリティー事業を開催しました。その後も箕面市に募金型自動販売機を設置し、売上金の中から募金という形で継続して震災地支援活動をおこなっています。「震災を忘れない」ためにも、本年度も継続してこの活動をおこなってまいります。また、この自動販売機の売り上げの一部からはマラリア撲滅運動のNOTHING BUT NETSキャンペーンにも継続して寄付をおこなっています。国際社会へ日本人として出来る活動も継続しておこなってまいります。

 

  

最後に

 

 私たちは何のためにJC運動をやっているのか。それは明るい豊かな社会の実現のためです。おそらく永遠のテーマなのではないかと思います。この理想を追い求めた47年の間、多くの先輩方によって活動は続けられ、そして2014年度にたすきが受け継がれました。私たちは現代にある問題をしっかりと受けとめながら、まちづくりに対する理想を求め、私たちにできることをしっかりと取り組んでまいります。そしてこれからの一年間の運動・活動が終わった時に、かかわっていただいた人々が成長し、かかわっていただいた方々の人生が幸せになり、箕面市に住む人が箕面市に住むことを幸せに感じる、そのようなまちづくり運動を展開してまいります。

 

 

  

○スローガン 人生を幸せにする~かかわる全ての人々の成長を願って~

 

 

○基本理念 自分に負けるな そして仲間を信じろ

 

 

○基本方針 「Positive Change」

 

  

○行動指針

1.人生を幸せにする事業の実施

2.メンバーの成長につながる定例会の実施

3.「地域の宝」を発信する事業の実施

4.積極的な会員拡大活動の実施

5.公益法人制度に則った会議所運営